9月に開催された国際FT会議での話題について紹介します。

1)次期会議
4年後の国際会議は中国で開催されることとなりまし た。しかしそれに先立ち4年毎に国際会議と入れ子で 開催されているヨーロッパFT会議も国際会議としてカ ウントすること が提案され認められました。したがっ て2年後2010年にスコットランド・グラスゴーで開催される会議が,時期国際会議ということになりました。

2)会議の名称
これまでは公式には「国際FT会議」で,副題として「熱年代学に関する会議」とされることが一般的でした。しかしFT法だけでなく,U・Th・Sm/He年代測定法,Ar/Ar法の専門家が多く出席し,それらを複合的に用いた研究内容が主流となっている会議の現状をふまえ,公式にも「国際熱年代学会議」とすることが承認されま した。

3)母体学会(もしくは連合)の設立
今後の会議運営を行う,公的?な母体学会(もしくは連合)を設立することが提案されました。これまでは ボランィアによって運営されていた国際研究会ですが,公的な組織への発展を目指し,より多くの熱年代学関係者への働きかけが活発となります。日本としても熱年代学分野の連携を探る必要がありかもしれませ ん。

4)国際会議開催にあたり,連絡をどうとるかの困難があったと,主催者側からコメントがありました。オントラックフォーラム(OnTrack Forum)に登録されていない方はぜひ登録して下さいとのことでした。
http://www.ontrackforum.org/

5)ラディアルプロット
イギリスUCLのVermeeschが,あたらしいラディアルプロッ トのためのソフトを作って紹介していました。以下か らダウンロードできるそうです。
http://pvermees.andropov.org/radialplotter

6)トラック自動計測ソフト
オーストラリアのグループが開発している自動計測システムのうち,計測用ソフトのデモ版がAutoScanから公開されました。OnTrack  Forum(http://www.ontrackforum.org/)からダウンロードできます。

7)トラック長測定のブラインド試料測定
前回のニュースメールにて皆様にお知らせしましたが,アパタイトトラック長測定inter-laboratory calibrationの一次結果が紹介されていました。全50機関の内, 60%ほど報告してあったでしょうか?まだ全データが揃っていないということで,具体的な値は報告されていませんが,結構ばらついているように見えまし た。もし会員の皆様で測定希望の方がおられましたらご一報ください。

京大原子炉の共同利用募集に関して
もう〆切は過ぎてしまいますが(11/14〆切), 来年度の募集要項に,炉の稼働について記載がありま した。21年度より,定常出力運転は原則1MWで運用の予定とのことです。共同利用以外に,単純照射というカテゴリーがあるそうで,これはまだ募集が行われていないようでした。以下,募集要項に記載されていた単純照射についての記事を転記いたします。
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別記2.単純照射について
「単純照射」は本公募とは独立に別途以下のように取扱いますが、詳細については原子炉実験所中央管理室 (0724−51−2400)に照会して下さい。
(1) 圧気輸送管による照射を原則とします。ただし、核燃料物質及び放射性同位元素は、単純照射の対象とはなりません。
(2) 照射試料は所内で実験、測定などを行わず、全て持ち帰って下さい。輸送は申請者の責任において行って下さい。
(3) KURの他の共同利用などのマシンタイムに余裕のある場合にのみ行います。
(4) 単純照射についても、当実験所が実施する保安教育を受けた方しか一切認められませんので、注意 して下さい。
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